「対話」とは何か――向き合って話すことの原点|対話の教室 vol.2
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「対話の教室」は、ウェルビーイングを育むための“対話”をやさしく、深くひもといていく連載コラムです。長年「対話」を専門に研究・実践してきた中村一浩(カズ)さん(武蔵野大学ウェルビーイング学部 准教授)に、対話の背景・考え方・技法をわかりやすく綴っていただいています。
何気ない毎日の会話の中にも、“対話“の種が隠れています。 今回は、職場や家庭など、身近なコミュニケーションをより豊かにするヒントを、カズさんに伺いました。
いま「対話」が注目される理由

みなさん、こんにちは。カズです。
今日は僕の専門である「対話」について、少しお話しますね。
前回の自己紹介でもお伝えしましたが、「対話」という言葉はここ数年で一気に世の中に広まってきているなと感じています。
10年前に自分が始めたころは、言葉は知っているけどピンとこない、みたいなことが多々ありましたが、今ではみんなに馴染んでいる言葉になったのかなと。
この10年で広がった三つの対話の波

そんな対話が世の中に広まった理由はいくつもあると思いますが、大きくは3つの流れがあると思います。
ワークショップ――学びの現場が“相互作用”へ
1つ目は、ワークショップです。
教育や経営の学びの場に、ワークショップという手法が持ち込まれました。
これまでの一方通行の学びではなく、相互に関わり合いながら、
お互いの学びを深める際に「対話」というものが有効であると広まりました。
医療――オープンダイアローグが拓いた可能性
2つ目は、医療です。
フィンランドで生まれた「オープンダイアローグ」という手法が映画を通じて日本にも持ち込まれて、精神科医療の治療に「対話」を用いるというこれまでにない新しい考え方・手法が日本に広まっていきました。
教育――“主体的・対話的で深い学び”の定着
3つ目は、教育です。
小中学校の学習指導要領に「主体的・対話的で深い学び」という言葉が入りました。
つまり、全国民が受ける義務教育のなかに「対話」が入ってきたのです。
これによって、より多くの人の目に触れることになりました。
「対話」とは何をすることか?

これらによって、この10年ほどで全国各地に広まっていった「対話」ですが、対話とは一体、何をすることなのでしょうか。
言葉は知っているけど、なかなか答えるのが難しい質問ですよね。
“相対して話す”――対話のコア

研修や講演の場で自分が伝えるときは、シンプルに「対話とは、相【対】して【話】すことですよ」と伝えています。
ここで言う「相対する」というのは、言葉を変えれば「向き合う」といった感じです。
つまり、対話というものは、何かに向き合って話すこと、ということです。
向き合う対象――他者と自分

では、何に向き合って話すのか。
他者と向き合う
ひとつには、話す相手である「他者」と向き合って話す、ということです。
対話ができるのは、相手があってこそ。
だからこそ、その相手ときちんと向き合って話すことが大事です。
自分と向き合う
もうひとつは、「自分」です。
相手に向き合う自分自身と向き合うことで、より深く自分のことが分かります。
それに、自分が不在になってしまうと、ただの評価・評論になってしまいますからね。
対話を深める“問い”の役割

そして、他者と自分とに向き合うとき、支えになってくれるのが「問い」です。
問いを通じて他者や自分を見つめることで、そのままに見るよりも他者と自分が見えやすくなってきます。
なので、より良い問いがあることで、対話は深まりやすくなると思います。
次回「会話」との違いへ
どうでしょう、少しは「対話」の輪郭が見えてきましたか。
次回は、対話と「会話」を比べてみて、もう少し深掘りしてみましょう。








